a bag a life の軽さへの考え方は、「軽さは、丈夫さの上に。」でもご紹介しています。
毎日の仕事のなかで、どうすればバッグがもっと軽くなるか。デザイナーはそればかり考えています。
ただし、軽さは丈夫さの上に置くもの。軽くするために、バッグに必要な機能まで削ることはしません。
バッグは、思っているよりずっと部品の多いものです。ひとつずつ分けていくと、見直せるところがいくつも見つかります。部品を見直すと、軽くなるだけでなく、構造もすっきりする。足せば重く、引けば頼りない。そのちょうどいいところを探しています。
今回分解したのは、2026年に開発した新作の本革リュック「QD801」です。

サイズは 横23 × 縦39 × マチ12cm。小さなバッグではありません。それでも重さは約800g。全革のリュックとしては、なかなか想像しにくい数字だと思います。
バッグの重さは、革、金具(ファスナーを含む)、裏地、そして外からは見えない芯材で決まります。ひとつずつ見ていきます。
いちばん重いのは、革
重さの大半を占めるのは革です。
QD801 の革は、日本で出会った革に着想を得て開発したオリジナルです。バッグ前面の革と同じ部位を、同じ大きさに切り出して、重さを量り比べました。

| 重さ | |
|---|---|
| QD801 の革 | 67.5g |
| 他の革 A | 114.8g |
| 他の革 B | 210.9g |
同じ大きさでも、これだけ違います。バッグ1個ぶんの革で考えると、この差はそのまま背中の重さになります。
ファスナーは、細く、磨く
ファスナーは金属製で、1メートルを超える長さになると意外に重くなります。
QD801 では、太いエレメント(務歯)をやめて、細いものを選びました。それで終わりにせず、ファスナー工場にお願いして、エレメントひとつひとつの余分な出っ張りを磨いてもらっています。

磨いたぶんだけ軽くなり、表面もなめらかになります。前のポケットを開けて、手を差し込んで探しものをするとき、ファスナーに引っかかりません。
見えない芯材も、軽く
たとえば底。通常は、牛革に近いしなやかさをもつ白い芯材を入れます。QD801 では、韓国製の軽い芯材に替えました。
外からは見えない場所です。それでも、毎日背負うものは、見えないところの数グラムが効いてきます。
引き手も、ちょうどいい長さに
ファスナーの引き手は、長すぎず短すぎず、必要な長さにとどめています。ひとつのバッグに6か所。ひとつひとつは小さな重さですが、軽くするという考えは、こういう小さなところまで通しています。
軽さは、ひとつの大きな工夫でできるものではなく、小さな見直しの積み重ねだと思っています。
QD801 の詳細は商品ページから。ほかのバッグの軽さについては、「軽さは、丈夫さの上に。」も読んでみてください。
